なぜ日本人は英語が苦手?オランダ・北欧諸国と比較してわかる英語教育の違い

運用力

「日本では中学・高校で6年間も英語を学んでいるのに、なぜ英語が話せる人が少ないの?」

そんな疑問を持ったことはありませんか?実際、日本の英語能力指数(EF EPI)のランキングは、オランダや北欧諸国と比べてかなり低いのが現状です。一方、オランダや北欧の国々では、英語を話せる人が多く、ビジネスの場でも英語が当たり前のように使われています。

では、日本とこれらの国々では英語教育にどのような違いがあるのでしょうか? 本記事では、日本とオランダ・北欧諸国の英語教育を比較しながら、日本人が英語を話せるようになりにくい理由を解説します。

日本の英語能力指数はなぜ低いのか?

早速、英語能力指数(EF EPI)のランキングを見てみましょう。

引用元:EFエデュケーション・ファースト・ジャパン/英語能力指数 EF EPI 2024年度版
引用元:EFエデュケーション・ファースト・ジャパン/英語能力指数 EF EPI 2024年度版
  • 日本の英語能力指数(EF EPI)ランキングの現状(例:2023年の順位)
  • オランダや北欧諸国との比較(オランダ・スウェーデン・デンマークなどは常に上位)
  • 日本はなぜ順位が低いのか?主な要因を考察

日本とオランダ・北欧諸国の英語教育の違い

① 英語学習の目的の違い

  • 日本:受験やテストのための英語(大学入試・TOEIC重視)
  • オランダ・北欧:実用的な英語(仕事・日常生活で使うための英語)

日本の公教育では主に受験のための英語を学びます。
受験英語ではスピーキング能力はほとんど問われません。その結果日本の公教育ではスピーキング能力を高める授業はほとんど行われません。

日本の英語教育は、以下のような状況を生みます。

  • 「英語を読む・書く」ことはできても、「話す・聞く」が弱い
  • 文法や単語暗記に偏り、「コミュニケーションのための英語」になっていない
  • アウトプット(話す・書く)の機会が少ない

受験対策がメインであることを踏まえると、日本がインプット中心の授業になるのも不思議ではありません。

一方、オランダ・北欧では仕事・日常生活で使うための英語を学びます。
彼らにとって英語は仕事・日常生活と密接に結びついているのできわめて実用的な英語が身につきます。

このように英語学習の目的が異なることが、英語教育の違いを生み出しています。

結果:日本では「読む・書く」中心、北欧では「話す・聞く」中心の教育が行われている

② 授業スタイルの違い

日本の英語教育では、リーディング・文法学習が中心で、スピーキングの機会が圧倒的に少ないです。

一方、オランダ・北欧)では、学校の授業で英語を話す機会が多いです。ディスカッション・プレゼンテーションが一般的です。
また、英語での授業やディベートを積極的に取り入れています。

  • 日本:文法・訳読中心、受動的な学習(例:教科書の例文を暗記、和訳問題を解く)
  • オランダ・北欧:英語で授業を行い、実際に「話す・聞く」時間が多い

結果:日本では「英語を使う経験」が圧倒的に不足している

③ 英語環境の違い(メディア・生活習慣)

日本は英語に触れる機会が少ないです。
英語を話さなくても生活できるため、学習の必要性を感じにくいです。

一方、オランダ・北欧では英語が身近な存在です。
英語の映画やテレビが普及しており、ネイティブの発音に自然に触れる環境が整っています。
また、英語を話せないと、就職・キャリアに影響があるので英語力は必須です。

  • 日本:英語に触れる機会が少ない(テレビ・映画は吹き替えが多い、英語の標識やアナウンスが少ない)
  • オランダ・北欧:英語が身近な存在(映画・ドラマは字幕、企業や大学の公用語が英語のことも)

結果:日本人は英語を「勉強するもの」と考え、北欧の人々は「使うもの」と捉えている

④ 教員の英語力と教育方針の違い

  • 日本:英語を教える教師のスピーキング能力が必ずしも高くない
  • オランダ・北欧:教師自身が英語を流暢に話し、英語で授業を行うことが一般的

日本の英語教育は試験対策がメインです。
スピーキングが重要視されていないので、教員のスピーキング能力が必ずしも高くありません。

これは教員個人の問題ではなく、仕組みの問題です。
スピーキング能力を必要としていない日本の英語教育において、教える教員がスピーキング能力を高めようと思えないのは必然です。

一方、オランダ・北欧では教師自身が英語を流暢に話します。
全て英語で授業を行うことが一般的なので、実際に英語を使う力が身につきます。

結果:日本では英語の「知識」は増えるが、実際に使う力は育ちにくい

日本人が英語を話せるようになるためには?

日本とオランダ・北欧諸国の英語教育を比較しながら、日本人が英語を話せるようになりにくい理由を解説してきました。では、日本の英語教育を受けた人はどうすれば英語を話せるようになるのでしょうか?

日本の英語教育に欠けている部分を個人学習で補う必要があります。
英語学習で意識すべき点を3つ解説します。

① 「英語を話す機会」をもっと増やす

英語を勉強ではなく「コミュニケーションのツール」として使う意識を持ちましょう。日本の英語教育では受動的な学習が行われてきたので、「話す・聞く」アウトプットの機会が不足しています。

  • オンライン英会話
  • 1人英会話

「英語をアウトプットする習慣」を作ることが重要!

② メディアや日常生活で英語に触れる環境を作る

英語を日常生活に組み込むことを意識しましょう。
「英語学習」ではなく、「英語で楽しむ」を意識するのがポイントです。

自然と英語に触れる機会を増やす工夫を考えてみましょう。

  • 映画・ドラマ・YouTubeを字幕で見る習慣をつける
  • SNSやオンラインゲームで外国人と交流する

「英語を勉強する」のではなく「英語を使う」意識にシフト!

③ 学校教育と実践的な英語学習のバランスを取る

日本の英語教育は決して無駄ではありません。
受験英語で得た知識は十分役に立ちます。

重要なのはインプットとアウトプットのバランスです。

学んだ知識は実際に使うことで定着します。
間違いを恐れず、とにかく話してみましょう。完璧な英語ではなく、伝わる英語を目指すべきです。

  • 試験対策だけでなく、実際に使える英語を学ぶ
  • 英語で考え、英語で話す機会を増やす

「受験英語」から「実践英語」へとシフトする必要がある!

まとめ:日本の英語教育を変えれば、英語力は伸びる!

今回は日本人が英語を話せない理由を諸外国との英語教育の違いから解説しました。

日本の英語力が低い理由は、教育の方針と環境の違いにある
オランダ・北欧諸国では「話す・聞く」を重視し、実践的な英語を学んでいる
「英語を使う機会」を増やせば、日本人の英語力も向上する!

英語が話せるようになるためには、「勉強する」だけでなく「使う」ことが大切。日本でも、日常的に英語を話す環境を作ることで、オランダや北欧諸国に近づくことができるかもしれません。

まずは「英語を話す機会を増やすこと」から始めてみませんか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました